ゲンドウ「エヴァに乗れシンジ」シンジ「報酬は？」

シンジ「何じゃないでしょ、エヴァに乗ったらいくら貰えるの？」

ゲンドウ「……特に何も出ない」

シンジ「じゃあぼくに何のメリットがあるの？」

ゲンドウ「…………」

シンジ「帰るね」

ゲンドウ「…………」

シンジ「何？」

ゲンドウ「今確認したが……NERVの規定により12,000円の日当が出るらしい」

シンジ「それだけ？」

ゲンドウ「……業務委託規定で上限が決まっている」

シンジ「ぼくは12,000円のために命懸けで戦うの？」

ゲンドウ「……そうだ」

シンジ「帰るね」

シンジ「何？そろそろ帰りたいんだけど」

ゲンドウ「報酬の上限は決まっているが……私が個人的にお前に何かプレゼントしよう」

シンジ「それって規約違反じゃない？」

ゲンドウ「冬月に確認したがギリギリセーフだ」

シンジ「ふーん……それで……何をくれるの？」

ゲンドウ「ゲームソフトを……何でも買ってやる」

シンジ「帰るね」

シンジ「何？しつこいよ」

ゲンドウ「何が不満なのだ……お前ぐらいの年頃の男の子はみんなゲーム好きじゃないのか」

シンジ「ぼくそこまでゲームしないよ」

ゲンドウ「なんだと……」

シンジ「息子のことよく知らないんだね」

ゲンドウ「…………」

シンジ「帰るね」

シンジ「はぁ……何？」

ゲンドウ「遊園地……行きたくないか？」

シンジ「行きたくない」

ゲンドウ「水族館は？」

シンジ「行きたくない」

ゲンドウ「じゃあどこに行きたいんだ」

シンジ「今は家に帰りたいけど」

ゲンドウ「…………」

シンジ「帰るね」

シンジ「しつこいなぁ……」

ゲンドウ「逆にどうしたらエヴァに乗るんだ」

シンジ「日当500万円」

ゲンドウ「……子供にそんな大金渡せるわけないだろう」

シンジ「子供に命懸けで戦わせようとしてる大人がよく言うよ」

ゲンドウ「…………」

シンジ「帰るね」

シンジ「何？」

ゲンドウ「大きくなったな……シンジ」

シンジ「本当に何？」

ゲンドウ「いつのまにか親に口答えするようになった」

シンジ「父さんはぼくのこと育ててないから分からなくて当然だよね」

ゲンドウ「そんなお前に親として頼みがある」

シンジ「断るよ」

ゲンドウ「エヴァに乗ってくれ」

シンジ「帰るね」

シンジ「ミサトさん、家まで送ってください」

ゲンドウ「帰ろうとするな……シンジ」

シンジ「帰りにスーパー寄りたいです」

ゲンドウ「無視するな……シンジ」

シンジ「ビールは冷蔵庫にまだ沢山あるでしょ！」

ゲンドウ「シンジ……聞いてくれ」

シンジ「もう飲んだんですか！？ウソでしょ！？」

ゲンドウ「シンジ……」

ゲンドウ「うむ」

冬月「うむじゃないが……」

ゲンドウ「どうするんだ？あの使徒は」

冬月「それはこちらのセリフだが……」

ゲンドウ「エヴァに乗れ、冬月」

冬月「断る」

完

担架で運ばれる綾波を見るシンジ

シンジ「報酬は？（ﾆﾁｬｱ）」